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PM証拠金の計算例

このページの証拠金要件はすべてHypercallの証拠金エンジンで計算しています。注文チェックと清算ウォッチャーが使うのと同じコードに、本番ポリシー(バージョン3、PMリスクパラメータを参照)を読み込んでいます。シナリオ行は別途独立に再計算しており、エンジンの結果とセント単位まで一致しています。架空なのは市場インプットだけで、計算を追いやすい値にしてあります。

共通のインプット​

インプット値
評価時刻2026-10-07 08:00 UTC
スポットBTC $100,000、ETH $4,000、AAPL $250
インプライド・ボラティリティ原資産ごとにフラット:BTC 50%、ETH 60%、AAPL 30%(実際のマークは行使価格ごとに異なります)
「30日」オプション2026-11-06に満期(BTCとETHは08:00 UTC、AAPLは20:00 UTC)
「24時間」オプション2026-10-08 08:00 UTCに満期
金利5%(PMのプライシング金利)
Hyperliquidの担保例8を除き、どのシナリオでもパーペチュアルのレッグが清算されない十分な額

オプション1契約は原資産1単位です。スキャニングリスクは加重後のシナリオ損益のうち最悪のものを正の数で表したものです。IM = max(スキャニングリスク, オプションフロア) + ガンマ・オーバーレイ、MM = 0.85 × IM です。どのブックにも未約定注文がないため、この式になります。

自分のブックについてライブのマークで同じ内訳を確認するには、POST /risk/simulate/portfolio を使ってください。

まとめ​

#ブックスキャニングリスクフロアオーバーレイIMMM決定シナリオ
1BTC 110kコール1枚ショート10,689.131,650.00010,689.139,085.76T4
2BTC 105k/110kコールスプレッドのショート1,508.3375.0001,508.331,282.0810
3aBTC 100kストラドルのショート10,889.293,000.00010,889.299,255.89T4
3bBTC 100kストラドルのロング1,706.91001,706.911,450.876
4BTCアイアンコンドル、残り24時間657.7415.002,000.002,657.742,259.0811
5BTC-PERP 1枚ロング、110kコールショート13,912.161,650.00013,912.1611,825.34T1
6BTC 95k/90kプットスプレッド、BTC-PERP 0.10ショート958.3975.000958.39814.63T4
7BTCコールスプレッド、ETHプットショート、AAPLストラドルロング3,920.20345.0003,920.203,332.17原資産ごと
8BTC 100kコールロング、BTC-PERP 0.5ショートHLの担保次第00853.45 または 14,469.636 または取引所での清算

金額はすべてUSDCです。

1. ネイキッドのショートコール​

ブック: BTC 110,000コール1枚ショート、30日。現在価値 $2,379.74。

シナリオスポットボラティリティ損益ウェイト加重後
1+12%+35%-7,437.031.00-7,437.03
10+12%0%-5,248.051.00-5,248.05
T2+25%+55%-17,483.160.60-10,489.90
T4+40%+70%-30,540.360.35-10,689.13
Option Floor=0.015×110,000=$1,650\text{Option Floor} = 0.015 \times 110{,}000 = \$1{,}650 IM=max⁡(10,689.13, 1,650)=$10,689.13MM=$9,085.76\text{IM} = \max(10{,}689.13,\ 1{,}650) = \$10{,}689.13 \qquad \text{MM} = \$9{,}085.76

証拠金を決めているのはテールです。ウェイトが35%でも、ボラティリティ+70%を伴う40%の上昇は、どのコアシナリオよりも損失が大きくなります。30日のコールではフロアは効きません。フロアが意味を持つのは、シナリオ損失が小さい、大きくアウト・オブ・ザ・マネー (OTM) のショートです。

2. ショートコールスプレッド​

ブック: BTC 105,000コール1枚ショート($3,838.70)、BTC 110,000コール1枚ロング($2,379.74)、30日。受取プレミアム $1,458.96、幅 $5,000。

シナリオスポットボラティリティ損益加重後
10+12%0%-1,508.33-1,508.33
1+12%+35%-1,301.36-1,301.36
T2+25%+55%-2,131.27-1,278.76
2+8%0%-1,011.06-1,011.06

フロア。 コールはネットでショートではありません(ショート1枚、ロング1枚)。そのためフロアの基準は行使価格 $105,000 ではなく、スプレッドの満期時最大損失 $5,000 です。1.5% × 5,000 = $75。

IM=max⁡(1,508.33, 75)=$1,508.33MM=$1,282.08\text{IM} = \max(1{,}508.33,\ 75) = \$1{,}508.33 \qquad \text{MM} = \$1{,}282.08

スプレッドに必要なのは幅の約30%で、例1のネイキッド110kコールの $10,689 とは大きな差があります。決定シナリオがテールからコアの+12%に移った点にも注目してください。ロングのウィングがテールでの損失に上限をかけています。

3. ストラドル​

3a. ショートストラドル。 BTC 100,000コール1枚ショート($5,907.37)とBTC 100,000プット1枚ショート($5,497.53)、30日。

シナリオスポットボラティリティ損益ウェイト加重後
T4+40%+70%-31,112.250.35-10,889.29
T2+25%+55%-17,939.970.60-10,763.98
T3-40%+90%-28,696.030.35-10,043.61
T1-25%+70%-15,714.400.60-9,428.64
1+12%+35%-7,801.241.00-7,801.24

フロア:コールがネットでショートなので、両レッグに行使価格全額の基準が適用され、1.5% × (100,000 + 100,000) = $3,000 です。IM $10,889.29、MM $9,255.89。

スキャニングリスクは2つのレッグの合計ではなく、最悪の一方向の値です。プットは下落時に、コールは上昇時に損失を出し、両方が同時に起きるシナリオはありません。

3b. ロングストラドル。 同じ2つのオプションを買った場合で、支払プレミアムは $11,404.90。

シナリオスポットボラティリティ損益
60%-15%-1,706.91
7-4%-15%-1,478.97
3+4%-15%-900.04

IM $1,706.91、MM $1,450.87。PMではロングオプションにも証拠金がかかります。スポットが変わらずボラティリティが15%下がると、ストラドルの価値は $1,707 減り、その損失分が課されます。プレミアム自体は現金から支払われ、証拠金として拘束されるわけではありません。

4. 満期まで24時間のアイアンコンドル​

ブック: 98,000プットショート($323.86)、97,000プットロング($153.83)、102,000コールショート($345.53)、103,000コールロング($173.49)、すべて24時間後に満期。受取プレミアム $342.07、各サイドの幅 $1,000。

スキャニングリスクは $657.74(シナリオ11、スポット-12%)で、幅 $1,000 から受取プレミアムを引いた値に近くなります。シナリオ10(スポット+12%)との差はわずか $0.34 です。

フロア。 どちらのサイドもネットでショートではないため、基準はコンドルの満期時最大損失 $1,000 です(イン・ザ・マネーで満期を迎えるのは片側だけです)。1.5% × 1,000 = $15。

ガンマ・オーバーレイ。 両方のショートが48時間以内に入っています。オプションの種類ごとに別グループとして扱います。

グループグロスショートネットショートマッチ分満期時最大損失オーバーレイ
プット 98k/97k1011,000min(1% × 100,000 × 1, 1,000) = 1,000
コール 102k/103k1011,000min(1% × 100,000 × 1, 1,000) = 1,000
IM=max⁡(657.74, 15)+2,000=$2,657.74MM=$2,259.08\text{IM} = \max(657.74,\ 15) + 2{,}000 = \$2{,}657.74 \qquad \text{MM} = \$2{,}259.08

同じコンドルでも残り30日なら必要額は $62.95 で、オーバーレイはかかりません。48時間のラインを越えると $2,000 が上乗せされ、IMはコンドルの最大損失の約2.7倍になります。これがスキャニングリスクの上にオーバーレイを重ねることのコストです。

予定中のディファインドリスク上限(V3)の場合。 このルールはまだ本番に入っていません。設計どおりなら、同じブックに課されるのはIM $1,000.00、MM $1,000.00 です。つまりコンドルの最大損失そのもので、維持証拠金の15%割引は適用されません。今後の変更を参照してください。

5. パーペチュアルを使ったカバードコール​

ブック: HyperliquidでBTC-PERP 1枚ロング、BTC 110,000コール1枚ショート、30日。

ブックスキャニングリスク決定シナリオ
BTC-PERP 1枚ロングのみ15,000.00T1: −25,000×0.60-25{,}000 \times 0.60
110kコールショートのみ(例1)10,689.13T4
カバードコール13,912.16T1: −23,186.93×0.60-23{,}186.93 \times 0.60

フロア $1,650(例1と同じくコール分)。IM $13,912.16、MM $11,825.34。

カバードコールはネイキッドコールよりも多くの証拠金を必要とします。ショートコールはパーペチュアルのアップサイドに上限をかけますが、カバードコールのリスクはダウンサイドにあり、下落時にコールが戻すのはその価値 $2,380 だけです。PMはロングパーペチュアルの下落損失を、コールでわずかに和らげた分だけ課します。カバードコールをスプレッド並みの証拠金にしたいなら、プットを買ってください。

6. パーペチュアルでヘッジしたプットスプレッド​

ブック: BTC 95,000プット1枚ショート($3,272.66、デルタ -0.32)、BTC 90,000プット1枚ロング($1,734.47、デルタ -0.20)、30日。スプレッドはおよそ0.12デルタのロングです。これにBTC-PERPのショートを加えます。

パーペチュアルのショートスキャニングリスク決定シナリオIMMM
01,703.1911(-12%、ボラティリティ0)1,703.191,447.71
0.051,103.1911(-12%、ボラティリティ0)1,103.19937.71
0.10958.39T4(+40%、ボラティリティ+70%)958.39814.63
0.151,658.39T4(+40%、ボラティリティ+70%)1,658.391,409.63

フロアはどの行も $75 です。パーペチュアルはオプションフロアを変えません。

パーペチュアルを0.05増やすごとに、-12%での損失が $600 減ります。0.10程度を超えると、+40%のテールでのパーペチュアル自身の損失が最悪ケースになり、IMは再び上がります。最適なヘッジはグリッドの両側のバランスをとる量であり、デルタ全量ではありません。

同じ考え方はネイキッドのショートでさらに効きます。BTC 95,000プット1枚ショート単体では $11,107.61 が必要ですが、BTC-PERP 0.33をショートで合わせると $6,487.61 になります。

7. 3つの原資産にまたがるブック​

ブック:

  • BTC:例2のコールスプレッド
  • ETH:ETH 3,600プット5枚ショート、30日(1枚 $103.24)
  • AAPL:AAPL 250コール100枚ロング($9.16)とAAPL 250プット100枚ロング($8.11)、30日

原資産ごとに、それぞれのグリッドで最悪のシナリオが課されます。

原資産スキャニングリスク決定シナリオフロア
BTC1,508.3310(+12%、ボラティリティ0)75.00
ETH1,981.45T3(-40%、ボラティリティ+90%、ウェイト0.35)270.00
AAPL430.43equity-vol-down-25(0%、ボラティリティ-25%)0
アカウント3,920.20345.00
IM=max⁡(3,920.20, 345)=$3,920.20MM=$3,332.17\text{IM} = \max(3{,}920.20,\ 345) = \$3{,}920.20 \qquad \text{MM} = \$3{,}332.17

注目点は2つです。

  • AAPLは追加シナリオの1つで決まっています。 17シナリオのグリッドだけなら、ロングストラドルの最悪ケースはシナリオ6(ボラティリティ-15%)の $258.28 です。AAPLのオーバーライドでボラティリティ-25%のショックが追加され、こちらは $430.43 の損失になります。
  • 原資産間のネッティングはありません。 3つすべてを同じシナリオで一緒に動かしてネットした場合、共通シナリオでの最悪はシナリオ3(+4%、ボラティリティ-15%)の損失 $140.70 です。PMが課すのは $3,920.20 です。BTC、ETH、AAPLが連動して動くとは限らないからです。

8. ショートパーペチュアルでヘッジしたロングコールとHyperliquidチェック​

例1から7で使ったエンジンのハーネスは、すべてのブックに無制限のHyperliquid担保を与えます。そのためこの例は同じルールから手計算しています(Hyperliquid清算チェックを参照)。

ブック: BTC 100,000コール1枚ロング、30日($5,907.37、デルタ 0.54)、HyperliquidのクロスマージンでBTC-PERP 0.5ショート。

シナリオスポットボラティリティコール損益パーペチュアル損益合計
3+4%-15%1,549.98-2,000.00-450.02
60%-15%-853.450.00-853.45
7-4%-15%-2,739.482,000.00-739.48
11-12%0%-4,469.636,000.001,530.37

コール単体なら $4,469.63(シナリオ11)、パーペチュアル単体なら $7,500(T2)が必要です。組み合わせると残るのはベガで、パーペチュアルが生き残る限り $853.45 です。

パーペチュアルはHyperliquid上で生き残るか。 BTCのHyperliquid維持証拠金を、最大レバレッジ40倍の単一ティア、つまり1.25%と仮定します。実際の数値はHyperliquidの最新のティアを確認してください。ショートパーペチュアルにとって最悪の動きはT4、スポット+40%で $140,000 です。

P&L=−0.5×40,000=−20,000Maintenance=0.5×140,000×0.0125=875\text{P\&L} = -0.5 \times 40{,}000 = -20{,}000 \qquad \text{Maintenance} = 0.5 \times 140{,}000 \times 0.0125 = 875

クロスアカウントのエクイティ EE が E−20,000≤875E - 20{,}000 \le 875 を満たすなら、この動きで清算されます。つまりエクイティが $20,875 以下ならすべて該当します。このテストにテールのウェイトは適用されません。

  • Hyperliquidに $25,000。 パーペチュアルは生き残ります。IM $853.45、MM $725.43。
  • Hyperliquidに $10,000。 パーペチュアルはT4の動きで清算されます。Hypercallは $10,000 全額が失われ、コールだけが残ると想定します。
Charge=max⁡(853.45⏟hedge intact, 4,469.63⏟call alone+10,000⏟lost collateral)=$14,469.63\text{Charge} = \max(\underbrace{853.45}_{\text{hedge intact}},\ \underbrace{4{,}469.63}_{\text{call alone}} + \underbrace{10{,}000}_{\text{lost collateral}}) = \$14{,}469.63

IM $14,469.63、MM $12,299.19。Hyperliquidの残高を $20,875 超に増やすか、パーペチュアルを減らせば、IMは $853.45 に戻ります。これが、パーペチュアルの注文フォームで「PMとHyperliquid証拠金のうち厳しい方」と説明しているルールです。パーペチュアルのレバレッジと証拠金モードを参照してください。

この計算例に含まれていないもの​

  • 未約定注文。 各例は約定済みポジションだけを対象にしています。待機中の注文には別途リザーブが加わります。未約定注文を参照してください。
  • 実際のボラティリティ・サーフェス。 本番では各オプション自身のマークIVを使います。スキューのあるサーフェスでは数値は変わりますが、方法は変わりません。
  • エクイティ。 ここで示したのは証拠金要件です。取引できるかどうかはIMに対するエクイティで決まり、エクイティにはHyperCoreのアカウント価値、Hypercallの現金、オプションのマーク、PMローンが含まれます。

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